本国スイスで53年の歴史を誇るミュージック・フェスティバルのひとつ「モントルー・ジャズ・フェスティバル」。同フェスの特徴のひとつとして挙げられるのが、多く残された録音や映像のアーカイヴ。これらのおかげで、私たちは「伝説」と呼ばれる公演を身近に味わうことができる。モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパンの姉妹プロジェクトARBANでは、「ライブ盤で聴くモントルー・ジャズ・フェスティバル」を連載中。モントルーの歴史を追いながら、幅広いラインナップに触れてみてほしい。
「モントルー・ジャズ・フェスティバルのライブ盤」と聞いて、あなたはどのアルバムを思い浮かべるだろう? 初開催から52回を数え、多くのライブ・アルバムが生み出されてきたから、1枚だけ挙げるのは不可能に近い。ここでは、そんな一連のライブ作品の中から時代を代表するアルバムを紹介していく。実際に音源を聴きながら、アルバムの背景を知り、あなたのお気に入りの一枚をみつけてほしい。まずは、同ラインナップを代表するビル・エヴァンスの名盤から始めよう。
50年以上に渡り開催されてきたモントルー・ジャズ・フェスティバルにおいて、その歴史を作ってきたライブ盤を紹介していくこの連載。Vol.2は同フェスの名物出演者のひとり、マイルス・デイヴィスによるこの作品を紹介しよう。クインシー・ジョーンズ、ジョルジュ・グランツ、ギル・エヴァンスといったビッグ・ネームがずらりと並ぶ豪華なショーの裏には、「ジャズの帝王」と呼ばれた男の最後の孤闘があった。
50年以上に渡ってスイスで開催されてきたモントルー・ジャズ・フェスティバル。その歴史の貴重な記録であるライブ盤を紹介していく連載の3回目は、現在も活動を続けるハード・ロック界のレジェンドのモントルー初ステージを収録した一枚を取り上げる。音楽ファンなら誰でも聴いたことのある彼らの代表曲は、モントルーで起きたある出来事をもとにした「ドキュメント・ソング」でもあった。
ジャズ界のレジェンドたちが毎年のように出演しているモントルー・ジャズ・フェスティバル。過去の貴重な演奏は、現在もライブ盤で味わうことができる。モントルーの名ライブ盤を紹介する連載の4回目は、モダン・ジャズを代表するベーシストであり、ジャズ界一の暴れ者と呼ばれたあの男のステージの記録を取り上げる。
ジャズという音楽ジャンルの幅広さと豊かさを楽しめるのが、モントルー・ジャズ・フェスティバルの大きな醍醐味である。50年以上の歴史の中で、スモール・コンボ、ビッグ・バンド、ボーカル、フュージョンと、ジャズのあらゆるスタイルによる演奏がモントルーのステージ上で繰り広げられてきた。1974年、ただ一台のピアノとともにモントルーのステージに立ったのは、50年代から2018年に亡くなるまでフリー・ジャズ界を牽引し続けた異才だった。観客の心をわしづかみにしたそのライブの記録を紹介する。
モントルー・ジャズ・フェスティバルには、ジャズ以外のジャンルからも綺羅星のようなミュージシャンが毎年のように出演して観客を楽しませてきた。そのジャンルはロック、R&B、ブルース、ボサノバと極めて多岐にわたるが、その中でも、人気、実力ともにトップクラスと言っていいのが現在も第一線で活躍するこのアーティストである。1980年代の不調期にありながら素晴らしい演奏を聴かせた「ギターの神様」。そのステージを記録した映像作品を今回は紹介する。
モントルー・ジャズ・フェスティバルには出演多数の常連ミュージシャンが何組もいる。“歌のファースト・レディ”と呼ばれたこのジャズ・ヴォーカリストもそんな常連のひとりだった。今回は、名ピアニストのトリオをバックに自由自在な歌を聴かせて聴衆の心を捉えた彼女の、1975年のステージの記録を紹介する。
カサンドラ・ウイルソンやノラ・ジョーンズなどのジャンルレスな女性ボーカリストの先駆者であったシンガーがモントルーのステージに立ったのは1973年のことだった。伝統的なジャズと最新鋭のソウルの境界を行き来しながら、ジャズというジャンルを軽やかに換骨奪胎してみせたボーカリスト。その名演を35分間に凝縮したライブ盤の魅力を掘り下げる。