マリーザ・モンチの日本公演に寄せて【三宅純】 | モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン 2019

マリーザ・モンチの日本公演に寄せて【三宅純】

2019.09.04
マリーザ・モンチの日本公演に寄せて【三宅純】

恋するディーバ

これは完全に妄想に過ぎないのだけれど、僕にはマリーザが恋の最中に作ったアルバムがわかる。たとえば『Memórias, Crônicas & Declarações De Amor』『Rose & Charcoal』『Infinito Particular』。そもそも僕が日常的に聴く女性歌手は、ロッテ・レーニャ、マリアンヌ・フェイスフル、ビリー・ホリデイ、ジャニス・ジョップリンなど、宿命とデカダンを背負った人達ばかりなのに、なぜかそこにマリーザは健康的に侵入してくる。ポップで王道でありながら、恋するディーバにしか放出できない完全燃焼オーラが、ダークな領域を軽々と凌駕してしまうのだ。果たして今年のマリーザは恋をしているだろうか? 妄想は楽しい。

三宅 純
アーティスト、作曲家、編曲家、演奏家(Trumpet, Flugelhorn, Flumpet, Pianica, Piano, Fender Rhodes, Programming, etc.)
日野皓正(tp)に見出され、バークリー音楽大学に学び、ジャズ・トランぺッターとして活動開始。時代の盲点を突いたアーティスト活動の傍ら、作曲家として頭角を現し、CM、映画、アニメ、ドキュメンタリー、コンテンポラリーダンス等多くの作品に楽曲を提供。

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